不便をもって不便を制す!? 化粧台の取替編

ここでは、「不便をもって不便を制す!? 化粧台の取替編」 に関する記事を紹介しています。
今回は、団地の洗面化粧台の取り替えです。

実は、この家は、20年近く前らウチにリフォーム工事を依頼してくれる、妹の家。
このブログにもたびたび登場してもらっています。

 ●子ども部屋のリフォーム "6畳の子供部屋を二人で…" ご参照
 ●押入れを半分撤去→オープンクロゼット造り "団地の和室を洋室にリフォーム" ご参照
 ●コンロ横に棚とディスプレイコーナー造り "遊びゴコロ" ご参照

そして、今回は、洗面化粧台の取り替です。

ビフォーはこちら。 
ホーロー製ボウルのついたコンパクトな化粧台で、
正面が窓なので、前回のリフォーム時にもミラーキャビネットは使わず、
フロアキャビネットだけを設置しています。
US (1)


両側にスペースがあるのに、えらくコンパクトな化粧台だな…(60cm幅)
とお思いでしょうが(笑)、実は横幅に見合ったサイズ(75cm、90cm幅)
を入れられない理由があります。


US (3)


そう、右側にあるトイレのドアが干渉するのです。
仮にサイズアップして75cm幅の化粧台を置くとすると…
レイアウト


現状は、化粧台の奥行き自体もスリムなのですが、
幅の広い化粧台にすると、さらに手前でドアに当たり、
ドアの開閉可能な角度が狭くなります。


これを解決しようとすると、まず思い浮かぶのが、



化粧台の向きを変えてみる。
つまり、向かって左側の壁を背にして化粧台を置く。
間取り変更
ただ、仮にこうしたとして、一般的なシャンプードレッサーを選ぶと、
人が立てるスペースは45cm残るかどうか。
手を洗うだけならどうにかですが、洗顔の時はお尻が
後ろの壁にぶつかってしまいます。


では、トイレのドアを開き戸でなく、引き戸にする?
でも、下の写真でおわかりのように、ドアの横幅より、
左側の壁が狭く、引き戸を引き込む壁の幅が足りません。



US (2)


その場合、トイレの空間自体をもう少し縦長に拡張する、という方法もありますが、
上の間取り図でわかるように、トイレに座って正面にトイレから使える収納と
洗面スペースから使える収納が造作してあり、これを撤去しなくてはなりません。
これは、やっぱり残しておきたい。


そこで、今回は、トイレ空間を拡張せず、しかも、工事費抑えめで、
化粧台のサイズアップ可能なプランをひねり出しました!


開き戸をはずし、開口部はそのままで、
既存の壁の表面にアウトセット引き戸を取り付ける、というプランです!


アウトセット引き戸なら、壁をこわして、壁の中に引き戸を引き込む費用が要りません。
化粧台側に引き戸を取り付けることで、トイレ空間の横幅が狭くなることもありません。


ただし、トイレのドアの左側の壁の幅が引き戸より狭いという条件は同じ、
そこは、名付けて、 【不便をもって不便を制す!】 プランで、
わざと、開口部に"引き残し"部分を見せ、その隙間からトイレに出入りする…
というプランを提案しました。


実際、これが、一見さんのお客様だったら、ご提案をする勇気はなかったことでしょう(^^;)
今まで、身内として大胆な提案や、実験的なリフォームを快く受けてくれた
妹夫婦と子どもたちならでは、思い切って申し出てみたのです。


トイレのドアを開け、その前に、引き戸を引いても、このあたりまで残るよ…
という位置に布をぶらさげ、妹や旦那さんにシュミレーションしてもらいました。

「トイレに出入りするのに、身体を横向けに入らないといけないかも。
 男の人はそのまま便器前に立てるけど、女性は横向きに入ってから
 くるっと反転して便器に腰を下ろすことになるし…」

「あとさ、お客さんとかお友達が来はったが時、最初に言っておかないと、
 びっくりしはるかもよ?」

でも、とってもおおらかな(^^;)妹一家、
「だいじょうぶ、気にならないよ~。化粧台が広くなるの楽しみ♪」
と快諾してくれました。


では、実際の工事の流れです。


化粧台と開ドアを撤去。
開口部の上に引き戸(上吊りタイプのアウトセット引き戸)のレールを取り付けます。
US (4)


将来、トイレの拡張をすることになった時に、開口部を高くしても
そのままドアが再利用できるよう、あえてドアを高くオーダーしました。
(ドアの窓部分から、開口部の上端が見えない程度に、前もって計算♪)


化粧台と引き戸をセットしたらこのように。
アウトセット引き戸は、開口部に被せるようにドアを取り付けるのですが、
今回は、トイレのドアなので、開口部をふさぐだけではなく、
引き戸の鍵を受ける側の枠が必要になりますので、その部分を造作します。
US (5)


鍵を受けるための枠ができました。
壁の幅が足りないのでわざと引き戸のレールの途中に作ってあります。
こうしておけば、将来トイレを拡張し、壁の幅に余裕ができたとき、
レールもそのまま再利用が可能。
US (7)


上のように、引き戸を全開しても、裏側ではこのように"引き残し"部分が残るのは計算通り。
左側の空いた部分からトイレに出入りしてもらいます(^^;)
US (6)


引き戸を閉めたらこんな感じです。
引き戸の幅と左の控え壁の幅の違いを実感しますね。
US (8)


化粧台も仕上げ、リフォーム工事完成です。
US (9)



この工事をしたのが、5月の末ごろで、約2ヶ月経ちましたが、
妹によると、とくに不便は感じていないとのこと。

今までの化粧台の幅が60cmだったため、
90cm幅のシャンプードレッサーが入ったという喜びでいっぱいだそうです。

私も、その間、妹宅を訪問し、トイレを借りることもありましたが、
違和感は感じずにすみました。

ちなみに、妹一家の子どもたち、高校2年生の甥っ子以外は、
みな成人で、小さい子供はいませんが、それぞれ、特に不便はないようです。


身体のサイズや、使用感は個人個人で違うと思いますが、
団地住まいの方で、もしチャレンジしてみようかな、と思われた方は、
ご参考になさってください。




さて、今日の記事は…
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