今回は、玄関収納です。
新築時に設置されていたものを、高さを抑えた
造作家具に置き換えます。

造作家具というと、家具設計製作の会社さんに頼む、
オーダー家具という工場で製作される家具や、
大工さんに大工工事として作ってもらう家具があります。
新築時に設置されていたものを、高さを抑えた
造作家具に置き換えます。

造作家具というと、家具設計製作の会社さんに頼む、
オーダー家具という工場で製作される家具や、
大工さんに大工工事として作ってもらう家具があります。
今までにも、職人が作る…つまり、夫が作る造作家具を
承ってきましたが、毎回、お見積りの段階からお引渡しまでの間、
お客様のイメージを裏切らないか、コストと仕上がりのバランスが取れているか、
とても気を使うお仕事です。
(下の過去のブログ記事もご参照下さい)
『大工で造作する家具』
『ラーチ合板で家具造り』
『家具動線と収納リフォーム④』
今回は、材木や合板に着色とニス…というのでなく、
お客様のお好きなグレーをベースにした家具ということで、
材料を既製品の化粧板を使うか、合板に塗装をするかによっても、
仕上がりも値段も大きな幅が出てきます。
お客様のイメージに合わせた形、ご予算に合うよう、
打ち合わせを進めていきます。
まずは、お客様が考えられた形を元に
イメージ図を造ります。

寸法は、お客様がお手持ちの靴や、棚の寸法をもとに出していただいたのを
形にしたのですが、ここで、私からひとつ懸念をお伝えしました。
というのも、下から持ち上げる形の扉、大きく開いて、
ひと目で中が見渡せて良いのですが、
この高さで扉を開け締めする場合は、
この扉の縦の高さ分大きく前に出てくることや、
扉を持ち上げきらないと中が見えにくいことが、
(窓部分は、半透明の樹脂板を入れる想定でした)
靴の出しい入れにはご不便かもしれない、といったことです。
1枚の扉の高さや幅をもっと小さくするか、左右への開き扉に変えるか、
ということをご提案したところ、最終的に下のような形で
造らせて頂くことになりました。

はじめのイメージ図では、家具の内側は無塗装で
木の色が見えたままでも…と思っておりましたが、
お客様は、内側は、外のグレーと似合う黄色にしたい、とのことで、
これまた仕上がりが楽しみでありつつ、
プレッシャーでもあり…(^^;)
とにかく、打ち合わせ~お見積りも終わり、
いよいよ家具作りに着手させて頂くことになりました。
材料となるシナランバーコア合板や、集成材などを塗装し、
カット~組み立てていきます。
塗装についても、塗装の職人さんにエアブラシで均一に吹いてもらう、
という方法もありますが、お客様としては、手作り感のある塗装で
構わないとのことでしたので、ウレタン塗料のローラー塗り仕上げです。

(奥の方には、これまた、別のお客様から
座面のプチリフォームを頼まれたお椅子が)
今回は、特別に?引き出しの内外も塗装仕上げにしています。
(玄関収納なので、水拭きをするのに便利だと思われます。)

扉の試着?をしているところ。

引き出しにレールを取り付け、動きも問題なし♪
一般的には、引き出しには取っ手をつけるところですが、、
お客様のリクエストで、手掛けとして切り欠きました。

カスミ調の樹脂パネルをセットし、完成です。

玄関に設置させて頂きました。

反対側から。

設置後、お客様に見ていただくまで、ドキドキでしたが、
「気に入りました(^^)」と言って頂けました。
こちらの家具もそうですが、実物を見ずにオーダーされる
お客様も一抹の不安がおありだと思いますが、
造らせて頂く身としましても、寸法を思い通りに造れるというメリットは別として、
イメージと違うとか、ちょっとコストと見合わない…とお客様がならないか、
不安があるものです。
今でも思い出しますが、とある元請け業者さんに、
オーダーキッチンの取り付け工事だけを頼まれたことがありました。
工事当日、システムキッチンを無事に取り付けさせて頂き、
見に来られた奥様に「ビタミンカラーで素敵なキッチンですね」と
お声掛けしたところ、「ええまあ…」といった感じで、
浮かない顔をしていらしたのです。
そのオーダーキッチンは、今回のような大工工事ではなく、
家具専門の設計・施工の会社さんが制作されたものでしたが、
確かにキッチンメーカーさんのシステムキッチンを思い浮かべ比較すると、
「老舗の会社さんのセンスかな…(^^;)」 という感じはありました。
図面から見せてもらっているわけではないのですが、
外観でなにかひっかかるものがあるといいますか…
例えば、ラーチ合板と呼ばれる、節が目立つような合板でも、
デザインと機能で素敵に造作されたキッチンは、雑誌やWebで
たくさん見かけます。
新建材だから、天然無垢材だから、合板だから、という材料の違いや、
工場で機械で作ったとか、大工工事で手仕事ならではの限界がある、
いった精度の違いでもなく、あくまで、お客様のご要望やイメージに
近づけられれば、満足して頂けるものと思います。
いつも、造作家具を頼まれると、上のエピソード、
(私達の直接のお客様ではないのですが)
その奥様の表情を思い出すのでした。
そういえば、今回の家具工事でひとつ、面白いエピソードがありました。
こちらのお客様、グレーがお好きで、
この家具をプランするときにも、どんな感じのグレーがいいでしょう?と
塗装見本をお見せしたのですが、選ばれたのが、なんと…
そのお客様宅の外壁とほとんど同じお色でした(^^)
お客様にとって、よほど「波長の合う色」でいらっしゃるのかもしれません。

今回は、今まで大工造作の家具工事をさせて頂いた中でも
特に印象深いものの一つでした。
また、経年変化をお尋ねしつつ、アフターフォローさせて頂きたいと思います。
さて、今日の記事は…
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