設計料とデザイン料

ここでは、「設計料とデザイン料」 に関する記事を紹介しています。
以前に、ホームページの方で、
リフォームの業者は、「リフォームの段取り」で、利益を得ている
という話を書きました。
(ご参考→リフォームは段取り命!

つまり、業者は商品や材料、職人の腕(施工ですね)を手配し、
それらを、工程を組んで段取りをすることで、儲けているということです。

その中で、私は
「設計料をきちんともらえている業者も中にはいるけど…」
という表現を使っています。


「カタチの無いものは、お金を払ってもらいにくい」
ということを耳にしたのは、
まだ、リフォーム業界へ入る前のことだったと思います。

しかも、関東よりも関西のほうが、その傾向が強い、とも…。

それが、本当なのかどうなのかは、
関西以外で仕事をしたことがないのでわかりませんが、
他の土地柄と比べてどうというより、
確かに、「設計料・デザイン料」というものは、
なぜか請求しにくいのが現状です。

設計事務所やデザイン事務所がリフォームのプランを受けている、
といった場合以外は、一般のリフォーム業者や工務店では、
建材・設備や工事の代金しか明細に挙げていないのが
現状ではないでしょうか。

つまり、「大改造!!劇的ビフォーアフター」で、最後にでてくる工事代、
(いつも「設計プラン料除く」となっていて、
私が「いったい設計料はいくらもらえたの?」と
いつも気にしているのですが…笑)、
その工事代の方だけということです。

ビフォーアフターでは、「匠」が設計や監理をされているのですが、
一般的なリフォーム業者では、設計や監理をかねていても、
すべてまとめて施工費に含まれてしまっているかたちなのです。

「そりゃあ、匠はデザインがすごいし、建築家だから当然でしょ!」
という言葉が聞こえてきそうですが、
では、「設計」「デザイン」って一体なんなのでしょう?

私がリフォームのプランナーとして、
動線や部屋の寸法などから知恵を絞って考えた
間仕切りの位置や高さなどは、
工事が終われば、「ただの壁」というのでしょうか、
頭を悩ました痕跡は見えないわけですよね。

この「間仕切りの位置」はデザインとはみなしてもらえないけど、
間仕切りに何かの「しかけ」や「加工」をしてあれば、
デザインと呼んでもらえるのか…。

私は、間仕切りの位置や寸法や色合いなどを、
その空間や施主さんの要望にあわせて考え出すことには、
とてもやりがいを感じますし、自信があるほうです。

しかし、間仕切り自体になにか、
いかにも「デザインされている」と、目立つような、
私の個性を反映するようなしかけを付け加えることには
自信もなく、あまり気のすすまないほうでした。

私たちに何度も工事をリピートして下さる、
ある店舗の施主さんと話をしていて、
「デザイン」の話になったとき、その方が、
「デザインとは奇抜なこと」と言われたのですよね。

私はぐっと落ち込みました。
「私にはこんな個性がある。だからこんな建築空間を表現したい」
というよりは、
「施主さんにこんな不便さがある、また、要望がある。
だからこんなリフォーム空間を工夫したい」
というタイプだと自己満足していましたから。

その施主さんからは、
「デザイン料がたくさんもらえるような、インテリアデザイナーになってね!」と
ずっと応援していただいてましたが、先のような話をかわすうちに、
「私には、デザイン料がもらえるような日は来ないのではないか…」
と思ってしまったのです。

その日から「デザインとは何か」ということが、気になって、
気になって、いろいろな本を読んでみたりしました。

そして、出会ったのです。
デザインの瞬間」(角川書店)という本の中で、
建築家の中村好文さんの言葉に。

229ページにこうあります。
(長いですが、以下引用させて頂きます)
  
   デザインは判断である   
  
 「設計はむしろ判断なんです。
  判断なので割合に理詰めです。…ここではこう考えるべき、
  …ここではこうだ、と」

 「正しい判断は一つだけとは限らないけれど、
  かなりのところまで絞り込んでいける。
  センスより論理性が大切で、幅広い判断が必要なんです。
  住む人間のための判断もあるし、自然環境のこともある。
  工学的、構造的なこと、性能的なこと、
  未来に向かっての判断。美的な判断もある」

 「(略)予算はどこの家でも限りがあるから、その予算内で
  最大のコストパフォーマンスを考える。
  その時に見栄えに価値を置く人もいるし、
  性能に価値を置く人もいるでしょう」

 「よくデザインを見栄えという面だけで考える人がいます。
  例えば、見た時になんか納得がいかなくて
  『何でこういう形になるの?』と聞くと、
  『デザインです』と言ったりする。
  ぼくはそういう考え方が好きにはなれません。(略)」


そうか…。
目で見て明らかに「これ!」とわかるものだけしか、
「デザインしました」と言えない、というわけではないんだ、
とちょっぴりうれしくなりました。

逆に、見栄えや個性的な表現にこだわりを持つお客様へは、
私はもっと、積極的に「美的な判断」を形に現して提案するべきなんだ、
と気がついたのです。

ただ、いろいろな選択肢がある中で
「判断する」という行為には、とてもエネルギーを使います。
建築物は、いったん施工してしまえば、簡単に造りかえられないもの。
「判断」には大きな責任も感じます。

出来上がったあとに、
「思ったよりスペースが狭い」「高い」「低い」「暗い」、など、
感覚的なものは、住む人、使う人にとって、まさに十人十色。

だからこそ、工事に入る前に一生懸命頭を使って、図面を引いたり、
3D画像でシュミレーションしたり。
果ては、紙に書いたり、木を切ってつくったもので自分の部屋で
仮置きしてみたり…。

この「判断」自体に当たり前のように対価を頂ける様になったとき、
お客様もリフォーム業者から、より優れた「判断」を受けることができ、
リフォーム業界もさらに充実・発展していけるような気がします。

これからも、私は目立たないけれど、練りに練った「判断」を
自分の仕事に重ねていきたいと思います。
(そして、いつの日か「デザイン料がたくさんもらえるようなプランナー」に…!?)

さて、今日の記事は…
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