細部の納め方こそ

ここでは、「細部の納め方こそ」 に関する記事を紹介しています。
先日の記事にも書いたとおり、珍しく職人の夫があえて提案をした
クロゼットの工事が無事終わりました。

当初の折れ戸タイプのクロゼットから三枚の引戸に変えるというその案は、
元請けさんも引き戸の枠が、壁から三センチも手前に出っ張ってくる、
ということをネックに考えておられたのですが、夫の説明をきき、
実用優先でと、お客様の方から、あらためてオーダーを頂いたのですね。

さて、まずは、


元の折れ戸を撤去。そして、元のクロゼット枠は今回の枠の取付下地として使います。

新しい引戸の枠を組み立てます。
この時に、角をきちんと直角に組めるように、床に置いて組立ます。
だから、広く場所を確保する必要があります。
tsukamototei 003.jpg


今回のお部屋は、ベッドが二台置いてありましたが、横向けに立てて、
広く作業空間をとらせて頂きました。

ちなみに、私たちは、家具や荷物が多いとき、養生範囲が広いときなど、
工事の条件に合わせて、私が同行するようにしているのですが、
下請けの職人さん一人に任せっぱなしの元請けさんなんかの場合は、
結構大変だと思います。(職人さんが)

さて、今回は、元の枠の水平方向・垂直方向の狂いもほとんどなく、
オーダーでサイズを指定してパナソニック電工の工場から来た、
引戸セットの枠がぴったりと納まりました。
hikido04.jpg


左から開けると
hikido03.jpg


そして、右から開けると
hikido02.jpg


引き違いの引戸を二枚つけるよりは、中が大きく開くのが特長ですね。
(真ん中の引戸は左右の引戸にシンクロして付いてきてくれますし)
しかも、こちらの部屋は、収納の中の間仕切りが少し左寄りについています。
もし、引き違いの引戸だったら、このように中に引き出しを並べて
使われる場合、引戸が邪魔で、手前に引けない場所ができるところでした。

さて、これで、パッと見は完成したように見えますが、ここからが、
私たちが慎重に施工しなくてはならない「細部の納まり」というものです。


ここですね。
hikido 011.jpg

元の枠の内側にすっぽりと新しい引戸の枠を取り付けているのですが、
その枠が壁面から三センチ強、出っ張っています。

商品としても、もともと壁と枠との「散り(ちり)」つまり、段差が
想定されるところまでしか、化粧がされていません。
(写真で言えば、白く仕上げが施された部分)

今回は、三センチ強という、見た目の「散り」の極端な大きさだけでなく、
この「化粧されていない部分」をカバーしてやらなくてはなりません。


そこで、使うのが、こういった「造作材」です。
(リンク先は、パンソニック電工の住宅部材「リビエ」カタログのPDF)

これらの中から、元のたて枠に干渉せず、新しい枠と、壁の散りを
ほどよく付けてくれる寸法のものを探すのです。

もちろん数ミリはどうしても合わない、ということがありますので、
その場合は現場で余分なところを丸のこで落とします。
今回は2m40cmの長さのものを均等に3ミリほど端を切断しました。

そして、仕上がったのが、こちらです。
hikido 014.jpg

こうして写真で拡大してみると、上部に細く隙間があるのですが、
これは、壁の不陸だったり、立ちのわずかな狂いが原因だったりします。
造作材は丸のこを使ってあくまでまっすぐに切断しますので、
このような部分は吸収できないのですね。

ここに壁クロス用のコーキングを差しておくかどうかで、私と夫の
意見が別れましたが、一応私の意見が通り、コークは入れないことになりました。

こうして、仕上がって見ると、違和感なく納まっていますが、欲を
言い出すと、
当初提案しかけていたように、やはり周りの壁をふかして、
もっと「散り」を少なく見せれたら、とか、内部の収納を作り直して、
枠をもっと中に入れていたら…、といろいろな方法が振り返られます。

しかし、リフォームではやはり、元の造りに左右されるため、
ある程度の線を引いておかなくては、際限なく工事範囲が広がってしまいます。
(工期も増えますしね)

今回は、当初のお客様の目的、ベッドや手前家具が邪魔にならずに、
収納扉をスムーズに開け閉めできるようになったということで、
お客様が見た目もスッキリだと、とても喜ばれていましたので、
夫が珍しく提案を強く勧めたことはお手柄だったと思います。

さて、今日の記事は…
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