腕のいいクロス職人がいたら、○○は要らない!?

ここでは、「腕のいいクロス職人がいたら、○○は要らない!?」 に関する記事を紹介しています。
先日、夫と一緒に入った賃貸マンション空家の現場でのことです。

今回は、間仕切りを含めた大幅な改装だったので、クロスを貼るのは
新しく石こうボードを貼った壁ばかりでした。

夫は石こうボードの継ぎ目にパテをしながら、

「また。ここもや…」と、ブツブツ文句を言っています。

「どうしたん?」と聞いてみると、

「いや、これ、見てみ。」

kab04
(画像はクリックで拡大します)

ちょっと、わかりにくいですね。

これは、
新しい石こうボードが貼りめぐらされた部屋の入り隅(いりすみ)、
つまり、部屋の角、コーナーの部分です。

クロス仕上げをするときによく使われる石こうボードは、
「ベベルエッジ」と言って、このように、ボードの角が斜めに落としてあり、
そこにパテを詰める(塗る)ことができるようになっています。

kabe05

本来、パテをするのは、ボード同士を横に並べて貼っていったときに、
継ぎ目が目立たないようにするためです。

ちなみに、初めからベベルエッジとなっていない縦方向にボードを継ぐ時や、
すでに一部を使ったボードを継ぐ時は、切ったボードの角を、カンナで
斜めに削ってから貼ります。

初めに挙げた写真では、本来はパテをする必要のない入り隅なのに、
ボードのベベルエッジの部分がそのまま使われているのです。
(左側のボードのほうです。)

こうなっていると、クロスの職人さんとしては、その斜めに切り落とされた
形状の部分に、パテを入れなくてはならなくなるのですね。

大工さんは、パテをする部分かどうかまでは考えず、単に手元のボードを
順番に、もしくは、直線の部分はボードを切り落とした側でなく、
ボードの初めからエッジとなった部分を使おうと思って貼っているのかも
しれません。

もしくは、材料(ボード)の節約?…といっても、使うボードの向きを変え
れば済む場合もあれば、ベベルエッジの部分を1cm切り取るだけでも
角は出せますので、節約のためではないでしょう。

それにしても、このような貼り方をする大工さんは、他にも同じように
パテの不要なところを、パテをせざるを得ないところにしてしまうそうです。

例えば、ドア枠のきわ。(これはパテを施した後の写真です)
kabe02

ドア枠の左側はちゃんとカットしたボードを貼ってあります。
kabe03

他にも、写真には撮っていませんが、梁を包むように貼ったボードの
出隅に「ベベルエッジ」を使っているとか。
(壁ならコーナーテープで補強するので、直角は出せますが、
 梁にはコーナーテープ使いませんので、パテで直角を出すことに!?)

夫に言わせると、パテの手間が増える(パテをすると、後でケレンをする
という手間もついてくる)からとか、パテを使う量が増える
(細かいことを言うようですが、パテは"職人持ち"のことが多いので)
のがどうこうというより、このような部分に気を配らない大工さんは、
他の部分も手が荒くなりがちだということです。

例えば、ボードを留めるためのタッカーの針の頭が
ボード表面にきちんとおさまらず、浮いていたりすると言うのです。

この針の頭がボード表面に出ていると、クロスを貼った後で当然クロスの表に
プツプツとした跡が出ますので、クロスを貼る前に、職人さんが、
ひとつひとつ金槌で叩き、ボードの中に入れてやらないといけません。

タッカーはコンプレッサーで圧縮した空気の力でボードに留めますので、
多少の圧力調整の差や、大工さんが打つときのクセはあるのでしょう。
タッカーが当てにくい位置もあると思います。

でも、あまりにも出ているところばかりだと、クロスの職人さんは、
その作業にそれなりに時間が取られます。

夫の職人仲間で、あまりにもタッカーの打ち方が悪く、金槌で叩く作業
に追われたので、腹を立てて数えてみたら、300箇所もあり、さすがに
現場監督に文句を言ったことがあったそうです。

すると、監督さんは、大工さんに伝えておくと言ってくれるどころか、

「腕のいいクロス屋さんが居てくれたら、腕のいい大工は要らんなぁ」と

クロスの職人さんを持ち上げることで、話をにごしたというのです。

夫が言うには、

「大工を常雇(じょうよう)で頼んでたら、スピード早ければ早いほど、
 費用を抑えられるやろ。

 タッカーがどうとか、ボードの切り口がどうとか考えずに、
 どんどん飛ばして仕事させたほうがいいってことや。

 それで、俺らがこうして、後処理に追われても、
 俺らのクロスの手間賃は○mでいくら、やから、
 金槌で叩こうが、余分にパテをしようが、元請けさんは
 痛くも痒くもないってわけ。

 これが、俺らの処理料一箇所いくら、になったら、
 大工さんにも口うるさく言うやろうけど、まあ、
 そんなことにはならへんからな。」

それでも、昔は、現場監督もボードの下地自体の仕上げ方について、
もっと気を配っていたし、木工事が終わった時点で、一旦検査を
する新築現場もあったそうです。

「だいたい、悪い下地やったら監督呼びつけて、
 『こんな下地じゃ貼られへんから帰るで!』とクロス職人が
 言える時代やったんや。俺らの親方や兄弟子の代までかな。」と夫。

その当時なら、大工さんも、「ここパテ大丈夫?」とか、
内装に気を遣ってくれる方も多かったとのこと。

今では、現場に入ってもまだ木工事の途中だったり、
荒い下地に「とりあえずパテでなんとかして」と言われて、
クロスの職人さんが閉口することもしばしば、諦めるしか
ないそうです。

あえて手を抜くつもりはなくても、工期に追い立てられて、
やむを得ずという大工さんもいらっしゃることでしょうが、
余裕があるなら、上のようなボードの貼り方については、
ぜひ考慮頂きたいものですね。

さて、今日の記事は…
クリック(応援)お願いします!

人気ブログランキングへ
関連記事

ブログパーツ
コメント
この記事へのコメント
こんにちは!俺もクロス屋なんで、ご主人の気持ちわかります!
なめた大工が多いですよね笑っ
2011/06/24(金) 13:02 | URL | ひろ #-[ 編集]
ありがとうございます。
工期不足も下地のツケ!?もクロス職人さんに
しわ寄せが来がちで大変ですよね。
クロス職人さんの頑張りにはいつも頭が下がります。
これからもどうぞよろしくお願いします。

2011/06/24(金) 21:28 | URL | iegasuki #PnKOjpFQ[ 編集]
最低な工務店ですね、ブローカー内装屋が単価を安くしてとりまくった結果が手抜き大工を放置しとくという結果に成ったのです。クロス職人は儲からないようになりました。はじめからもうからないとおもったほうがいいですね、
2012/12/12(水) 06:12 | URL | クロス屋鮭タロウ #X.Av9vec[ 編集]
クロス屋鮭タロウさん、コメントありがとうございます。
最近は内装ブローカーさんの口から、「クロスの仕事は割に合わないから請けたくない」なんてボヤキも聞こえてくる始末(^_^;)。その方の情報では、若い職人さんが、仕事欲しさに不動産屋さんなどに「今使ってはるクロス職人より安く貼りますから…」などと低単価を武器に飛び込み営業に行くそうです。「若いうちは量がこなせるからなんとかなっても、ゆくゆくは自分たちの首を締めることになるのになあ…」と、そのブローカーさん心配してはりました。一方、仕上がりにこだわりを持ち、職人を指名してくれる元請けさんも数は少ないながらもちゃんといらっしゃいます。仕事の質も次第に両極にわかれていきそうな気がします。
2012/12/14(金) 18:26 | URL | iegasuki(tanegasuki) #-[ 編集]
こんにちは。現在リフォーム営業してます。この間どうしても職人さんの手配がつかずボード張りを20年振りに自らやりました。その当時の親方の言葉を思い出しながらなんとか終わらせたのですが、リフォームが全て終わった後クロス屋さんに誰がボード張ったんですか?と聞かれ恐る恐る「私です」、と答えたところ褒められてしまいました。やはり最近では次の工程のことを考えず、ただ張ればいい大工が多いらしく、仕上げのクロス屋さんにしわ寄せがいっているようです。見習い一年間でしたが大工を経験し、1番最初に面取りや釘のアタマ、凹みキズに気をつけろと教えられ基本だと思ってたのですが。いずれそんな大工は淘汰されいなくなることを願い、いい仕事しましょ(^-^)
2014/01/06(月) 17:39 | URL | yasu #-[ 編集]
コメントありがとうございます。
20年経っても"基本"を忘れず、クロス職人さんが
思わず確かめたくなるほどのいい仕事、
素晴らしいですね!

大工さんに限らず、職人さんにとっても、営業さんにとっても、
予算や工期との板挟みになり、やむを得ずこういう風に…
という場合はありますよね。

でも、できない、できるけどしない、のと、知らない、のは違うと思うので、
やはり、日々経験と勉強の積み重ねだなあと、気持ちを引き締める私です(^^;)

(それにしても、イザという時、施工できちゃう営業さんって
 憧れます♪ そちらで変に頼られても困るでしょうけれど(^^))
2014/01/06(月) 23:16 | URL | iegasuki(tanegasuki) #-[ 編集]
よくわからないけど入り隅のベベルエッジ1cm切っちゃうと下地の間柱に届かなくなっちゃわないのかな?
2015/01/05(月) 12:51 | URL | #-[ 編集]
コメントありがとうございます。
もちろん、下地によってケースバイケースでしょう。
ただ、入隅がパテで造られているというのは、
防げるものなら防ぎたいですね。
それを見越して下地からボード張りまで一貫できれば
ベストなのですが、材料や工期にもよって難しい場合も
あることとは思います。
2015/01/06(火) 20:37 | URL | iegasuki(tanegasuki) #-[ 編集]
てか、クロス屋は職人じゃないでしょ?紙はるだけですよ?しかも下地作って頂いたうえに。腕の差なんてないでしょw
2017/02/11(土) 23:29 | URL | 大工 #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://reformdaisuki.blog107.fc2.com/tb.php/496-1f830f7c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック